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2024.9.24
SBT認定

SBT認定とは?簡単にわかりやすく解説! 取得企業が感じたメリット

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弊社ディエスジャパンでは、2023年にSBT認定を取得しました。

現在多くの企業がSDGsや脱炭素経営を掲げ、環境問題への意識が高まっています。

しかし、具体的にどのような取り組みが環境負荷を低減し、持続可能な社会の実現に貢献するのか、分かりづらいと感じたことはありませんか?

そんな中、企業の脱炭素経営への取り組みを可視化し、国際的な信頼を得られるものとして注目されているのが「SBT認定」です。

SBT認定が企業にとってどれほど重要で、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか?SBT認定について簡単にわかりやすく解説し、取得企業が実際に感じたメリットを具体例と共にお伝えします。

SBT認定とは?簡単にわかりやすく解説

SBTとは、企業が科学的根拠に基づいて設定する温室効果ガス排出削減目標です。

パリ協定で掲げられた地球温暖化対策目標達成に向け、企業が自社の排出量削減にコミットする取り組みと言えます。

SBTは「Science Based Targets」の頭文字で、 日本語では「科学に基づく目標設定」と訳されます。

SBT認定は企業の温室効果ガス排出削減目標が、パリ協定で定められた「世界の平均気温の上昇を産業革命前と比べて2℃未満、できれば1.5℃未満に抑える努力をする」という目標に沿って設定されているかを評価し、認定を与えるものです。

パリ協定とは?

パリ協定は、2015年にフランスのパリで国連気候変動枠組条約に基づいて採択された国際的な協定です。

地球温暖化対策における画期的な協定であり、世界中のほぼ全ての国が排出削減にコミットした協定として注目されています。京都議定書の後継となる協定で、195カ国以上が参加しました。

SBT認定を取得するということは、その企業が地球温暖化対策に科学的に裏付けられた方法で、責任ある行動をとっていることを示す強力な指標です。

SBT認定は、SBTi(Science Based Targets initiative)という国際機関によって付与されます。
つまり、 SBT認定を取得することは世界基準で認められた脱炭素経営を実践している証となり、社会や顧客からの信頼獲得や企業イメージ向上に大きく貢献します。

SBTが削減対象とする排出量

SBTは、Scope1・2・3をすべて合わせたサプライチェーン全体の温室効果ガスの排出量を削減することを求めています。

SBTでは自社の温室効果ガス排出量として自社事業活動による直接排出(Scope1)、間接排出(Scope2)を報告し、これに対して一定の削減目標を設定します。

Scope1とScope2以外のサプライチェーン全体における間接的な排出(Scope3)に関しては、取引先や顧客と協力して取り組む目標を立てていきます。

削減目標設定基準はSBT事務局への提出時から5年以上先、15年以内の期間です。

なぜSBT認定が重要視されているの?

従来の環境経営では、企業が独自に目標を設定することが多く、客観的な評価が難しいという課題がありました。

しかし、SBT認定は国際的な枠組みに基づいた目標設定と、SBTiという第三者機関による客観的な評価を受けるため、その企業の取り組みの信頼性を高めることができます。

SBTiは企業の脱炭素経営への取り組みが、地球温暖化対策として十分に科学的な根拠に基づいているかどうかを評価し、お墨付きを与える役割を担っています。

SBT認定を取得することは、企業にとって自社の脱炭素経営への積極的な姿勢を世界に向けて示す強力なアピールポイントとなります。

SBT認定の運営会社SBTiとは?

Science Based Targetsイニシアチブ(SBTi)は、世界中の企業や金融機関が気候危機との闘いにおいて役割を果たすことを可能にする企業の気候変動対策組織です。
私たちは、企業が地球の温暖化を壊滅的なレベルに抑え、遅くとも2050年までにネットゼロを達成するために必要な温室効果ガス(GHG)排出削減目標を設定できるようにする基準、ツール、ガイダンスを開発しています。
引用:SBT公式サイト

SBTイニシアチブ(SBTi)は、企業に対してSBTの策定を推進するために設立された国際機関です。

SBTiは、企業の温室効果ガス排出削減目標がパリ協定に整合しているかどうかを審査し、SBT認定を与える活動を行っています。

具体的には、SBTiは企業に対し、以下のサポートを提供しています。

  • SBT設定に関するガイダンスや基準の提供
  • 企業のSBT策定支援
  • SBT達成状況の追跡と報告

SBTiの主な目的は、地球温暖化を抑え2050年までにネットゼロ(温室効果ガスの排出量と吸収量を全体でゼロ)を達成するために必要な目標設定を企業や金融機関が行えるように支援することです。

SBT運営機関

SBTの運営機関であるSBTiは
CDP・UNGC・WRI・WWFの4つの機関が共同で運営しています。

SBT取得企業が感じたメリット

2023年ディエスジャパングループは、2030年度に向けた温室効果ガス排出削減の目標をSBTイニシアチブへ提出し、中小企業向け検証ルートにおいて「1.5℃目標」に整合しているとしてSBT認定を取得しました。

弊社が実際にSBT認定を取得して感じた最大のメリットは、明確な目標が設定されることで行動に移しやすくなった点です。

具体的な目標があることで、会社全体の方向性がはっきりし、各部署が一致団結して脱炭素目標に向かって進むことができました。

例えば、商品配送効率の見直しによるコスト削減など具体的な取り組みが増えました。

環境省のHPに企業名が掲載

SBT認定を取得すると、環境省の公表資料に社名が掲載され広く告知されます。
企業の知名度が向上し、環境取り組みに対しての信頼性を高めます。
環境省SBT(Science Based Targets)について

融資の拡大

SBT認定を取得するとサステナビリティ・リンク・ローン等の融資を受けられる機会が拡大します。

環境意識の高い企業として認識されることで、金融機関からの信頼が高まり、融資枠が拡大。

また利率が優遇されることがあり。資金調達コストを削減することができます。

サステナビリティ・リンク・ローンとは?

サステナビリティ・リンク・ローンとは借り手が環境問題や社会的課題の解決に向けたサステナビリティ活動に関する定量的な目標を設定達成することを奨励するローンです。

HPや名刺にロゴを掲載

SBT認定を取得すると、SBTのロゴを名刺やHPに掲載することができます。HPに掲載することで、ステークホルダーに対して分かり易くアピールできます。

企業が投資家、顧客、サプライヤー、社員などのステークホルダーに対しアピールすることで、評価向上、機会の獲得といったメリットにつなげることができます。

SBT認定取得のメリット

他にも、SBT認定を取得することで得ることができるメリットは多くあります。

財務面のメリット

  • 公共事業や補助金申請での加点
    SBT認定を取得すると、公共事業への入札や補助金申請で優遇されます。これにより、競争力が高まり、プロジェクト獲得のチャンスが増えます。
  • 脱炭素投資への補助金増額
    脱炭素関連投資に対する補助金が増額されるケースが増加しています。これにより、初期投資の負担が軽減され、事業が進めやすくなります。
  • 取引先との関係強化と新規取引先の開拓
    環境対策に積極的な企業として評価されることで、取引先からの信頼が向上します。さらに、環境に配慮した企業を求める新規取引先とのビジネスチャンスも広がります。

 

非財務面のメリット

  • 環境志向企業としてのブランド価値向上
    SBT認定を受けることで、環境に配慮した企業としてのブランド価値が向上します。消費者や投資家からの信頼が増し、長期的な企業価値の向上する可能性があります。
  • メディア露出増加
    環境対策に積極的な企業としてメディアに取り上げられる機会が増えます。これにより、企業の知名度が向上し、広報効果が期待できます。
  • 優秀な人材の確保
    環境問題に関心の高い優秀な人材を確保することができます。多くの若い世代は、環境に配慮した企業で働くことに魅力を感じており、採用活動がスムーズに進みます。
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